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銀行などの金融機関からキャッシングを受けたにもかかわらず、そのお金を返済できない状態に陥ってしまう方は大勢います。こうした状態から脱却するために、「債務整理」と呼ばれる制度が整っています。
債務整理とは自己破産や個人再生などの手法の総称を言い、債務を免除または減額できるなどの対応をしてもらえます。そしてこの債務整理の中の1つに「任意整理」と呼ばれる手法があります。ここでは「任意整理」について概要をご説明します。
■任意整理とは？
任意整理は、「裁判所を通さない」債務整理手法です。具体的な内容は、借主または弁護士などの専門家が、貸主（主に金融機関）に示談交渉を行うものになっています。
自己破産ともなると、貸主（債権者）は大きな損を被ります。ですから、自己破産にならないうちに、この任意整理の段階で、借主（債務者）の収入の範囲内で無理無く返済していけるよう交渉するわけです。
この結果、交渉が上手にまとまれば、返済条件を変更して借入額を減額できたり、将来の利息をカットできたりするようになります。これが「任意整理」です。
任意整理のメリットとは？
任意整理の代表的なメリットは次の3つです。
- ①将来の利息をカットできる
- ②現実的な返済計画を立てることができる
- ③一部の債権者にのみに手続きできる
まず任意整理が成功すると、「将来の利息をカットできる」ようになります。交渉内容にもよりますが、一般的には手続き完了後に、将来一切の利息が免除されます。したがって、これ以上返済額が増えることはありません。
また、利息がカットされることで、「現実的に返済計画を立てられる」ようになります。なぜなら利息がないので、返済額が明確になるからです。その結果、返済期限で等分した返済額を返済すれば済むようになります。
これらは任意整理をすること自体のメリットですが、他の債務整理手法に比べてもメリットがあります。それが「一部の債権者にのみに手続きできる」点です。つまり「利率が高くて返済が厳しい金融機関だけ」整理することも可能です。このように自由度が高い債務整理手法になっています。
任意整理のデメリットとは？
任意整理の代表的なデメリットとして次の2つが挙げられます。
- ①信用情報機関に事故情報が登録される
- ②交渉が難航するケースがある
まず任意整理が成功すると、利息がカットされる代わりに「信用情報機関に事故情報が登録される」ことになります。これは、いわゆる「ブラックリストに載ること」を意味します。ブラックリストに掲載されると、以降5年～7年程度は新たなキャッシング、ローン、クレジットカードを組めなかったり、作れなかったりします。
また、最近では任意整理の交渉に応じない金融機関も増えてきています。その結果、「交渉が難航するケース」も増加傾向にあります。仮に交渉がまとまっても、減額度合いが少ないこともあるので、必ずしも満足いく内容になるとは限りません。
■任意整理の手続き
任意整理を行うための手続き内容について見ていきます。任意整理は借主本人が行うこともできますし、弁護士や司法書士などの専門家に依頼もできます。そこでそれぞれの手続きの流れについて見てみましょう。
借主本人が任意整理の手続きを行う
借主本人が任意整理を行う場合、以下のように手続きを取る必要があります。
- ①貸主に取引開示の手続きを取る
- ②取引開示書類を基に利息を引き直す
- ③和解交渉を行う
- ④和解契約書を作成・締結する
手続きは上記のとおりです。それぞれを簡単に説明すると、まず「貸主に取引開示の手続きを取る」必要があります。債権者に取引履歴の開示請求をすると、今までの取引明細を送ってくれます。
そしてこの取引明細を基に、「利息を引き直す」ようにします。この引き直し計算によって、今まで払いすぎた利息を将来の返済に充てるように交渉していきます。
交渉材料がそろった時点で、実際に貸主と和解交渉を行います。ただし、快く和解に応じる債権者は少なく、交渉決裂したり、交渉自体ができなかったりすることも少なくありません。
無事に交渉内容がまとまれば、和解契約書を作成し、これをもって契約完了になります。その後は、契約書の内容に従って借主は返済をしていけば問題ありません。
弁護士等に任意整理の手続きを依頼する
弁護士や司法書士に任意整理を依頼する場合も、基本的な流れは同じです。ただし、借主が実際にすることは次のようなことです。
- ①弁護士に相談をする
- ②和解契約書にサインする
まず弁護士等の専門家に「任意整理の相談」をします。相談をすると任意整理が可能か、またどのようにスケジュールが進むのかなどを相談できます。そのほか、借主の希望などもヒアリングしてもらえます。まずは、借主は弁護士にこうした相談をします。
その後は、弁護士などの専門家から経過報告を聞くだけです。そして、弁護士側で無事に和解交渉が成功したら、今後「和解契約書」に記載されたとおりに支払いをしていけば完了になります。このように弁護士に依頼すると、具体的な交渉のほとんどを対応してくれます。
■任意整理を弁護士に依頼する理由は？
任意整理を弁護士に依頼した方がいい理由にはどんなことがあるのでしょう？ここでは大きく3つの理由を説明していきます。
和解交渉が成功しやすくなる
任意整理は借主本人でもできますが、交渉相手が借主本人の場合は交渉に応じないことが多いです。また、仮に応じたとしても、貸主の方が和解交渉に慣れている場合が多く、貸主に好条件なまま和解交渉が結ばれる可能性もあります。その結果、借主はより不利な条件で返済をする羽目になる可能性もあります。
一方、弁護士であれば、借主が希望している条件に近づけるべく交渉を進めてくれます。特に任意整理の専門知識を有している弁護士であれば、交渉を上手にまとめてくれるでしょう。その結果、借主の満足いく和解内容になることが多いです。こうしたことから、弁護士に任意整理を依頼します。
催促・取立てを止められる
借主が弁護士等の専門家に債務整理の相談をすると、専門家から借主に対して「受任通知」が発送されます。これは借主に代理人がついたことを意味します。したがって、貸主はこれ以上の催促・取立てを借主に対して行えません。
これによって日々の催促による精神的苦痛から解放されることになるでしょう。こうした理由から、弁護士に依頼することをオススメしています。
煩雑な手続きを一任できる
任意整理は借主本人でも行えますが、実際の手続きは非常に複雑です。その結果、思ったように交渉が進められなくて、より生活が困窮してしまう可能性もあります。
しかし弁護士に依頼すれば、「煩雑な手続きを一任できる」ようになります。つまり、借主は通常の生活をしていても、専門家が交渉を進めてくれます。こうしたこともあり弁護士に依頼する人が多くなっています。
任意整理の概略について見てきましたがいかがだったでしょうか。任意整理は自分で行うこともできますが、なるべくなら弁護士に依頼をした方がオススメです。
弁護士に依頼すれば、交渉が難しい金融機関の任意整理も上手に対応してくれるに違いありません。債務整理を検討しているのであれば、まずは当エクレシア法律事務所の弁護士に相談をしみましょう。
埼玉県越谷市の南越谷・新越谷駅近くにある当法律事務所には、債務整理の実績が豊富な弁護士が複数人在籍しております。
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