任意整理をすると何がかわる？

借金地獄に陥り、生活が苦しくなり、借金返済に窮してしまう方であっても、その多くはさまざまなタイプの債務整理によって、弁護士が解決することが出来ます。
その債務整理の中には、「任意整理」と呼ばれるものがあります。自己破産でもなく、個人再生でもない、この任意整理とはいったい何でしょうか。

■任意整理って何？

任意整理とは平たく言うと、債権者（銀行やクレジット会社、貸金業者など）に対して債務者の代理人である弁護士が「返済計画を緩和して」とお願いすることです。具体的にお願いする内容としては、以下のようなものがあります。

〇現在の借金残額の減額（借金を一部免除して欲しい！）

単純に現在ある借金をまけてもらえるよう交渉します。

一見無茶な交渉のように聞こえるかもしれませんが、債権者側にも応じるメリットはあります。もしも任意整理が失敗すると、基本的には債務者は自己破産することになります。

そうなると債権者は、借金の減額どころか残りの借金をすべてとりっぱぐれることになるのです。

それを考えると多少借金を減額してでも、任意整理に応じたほうが無難という選択も有り得るのです。

簡単に言うと

「自己破産してほしくなかったら、借金の減額に応じてくれ」

ということなのです。

〇将来発生する予定の利息のカット（今後利息は発生させないでほしい！）

借金の減額に応じてくれない場合でも、将来の利息カットくらいであれば応じてくれる可能性はあります。

実際、利息のカットは弁護士などに依頼して交渉すればかなりの確率で成功しています。これ以上借金を膨らませないためにも将来利息のカットはとても重要な交渉なのです。

〇返済期間の延長（毎月の返済額を減らすために、返済期間を伸ばして欲しい！）

毎月の返済額が高くて返済継続が難しい場合は、返済期間を延長してもらうことで、毎月の返済額を減額することができます。

これも弁護士が交渉することで応じてくれることがあります。

■任意整理の最大のポイントは「過払い金」

任意整理をする場合の最大のポイントは、「過払い金」の返還請求です。

大体平成２０年以前に５年以上キャッシングによる返済を継続していたような場合、かなりの確率で過払い金（支払いすぎた利息）が発生しています。

過払い金は返済期間が長ければ長いほど、その金額は大きくなります。過払い金は１００万円以上になることも少なくないため、場合によっては過払い金と借金を相殺しておつりが発生することもザラにあります。

そうなれば、任意整理にかかった弁護士費用なども戻ってきた過払い金の中から支払うことができるのです。

■任意整理は弁護士によって差が出る。

任意整理は、いわば債権者側との「交渉」であり、そこにはさまざまな駆け引きが存在します。交渉慣れしている弁護士であれば依頼人にとって有利な条件で和解することができますが、不慣れな弁護士であれば任意整理をしたとしてもかなり厳しい返済計画のままということもあります。そのため、債務整理をする場合は、出来る限り債務整理に強い弁護士に依頼するよう心がけましょう。