Aさん 50代 会社員 一人暮らし
Aさんは営んでいた事業が失敗し、自己破産をすることになりました。
問題は、ローンの支払いが残っている自動車を所有しており、その自動車は今後の新しい仕事のためにどうしても必要なので何とかならないか、という悩みを抱えていました。
Aさんが購入した自動車は、相談に来た時点で年式が10年以上前の古いものだったので、弁護士が車のローンの債権者と交渉したところ、債権者は自動車を引き揚げしないことになり、Aさんは自動車を維持することが出来ました。
自動車をローンで購入した場合、ローン会社が所有者として登録されていることが多いのですが、その場合、自己破産手続によりローンの支払いが出来なくなると、その自動車はどうなるのでしょうか。
まず、頭に入れてほしいのは、ローン会社はその自動車を引き揚げ、売却して、売却代金をローンの返済に充てるというのが通例だということです。ですから、通常自己破産をする時に自動車のローンが残っている場合には、その自動車を手放さなければならないということです。
しかし、ローン会社において、その自動車の年式が古いため売却金額が低く、ことさら人件費等をかけて売却しても費用対効果がないと判断した場合には、ローン会社は自動車の引き揚げをしないこともあります。
ただし、あくまでこれは、それぞれのローン会社の判断によりものであり、年式が古くても車を引き揚げることもありますので、「年式が古く価値がない」イコール「車を維持できる」という訳ではないことは、忘れないでください。
結論としては、自動車の年式が古くて売却金額が極めて低いと予想される場合には、結果的に自動車を維持できることがありますので、自己破産をせざるを得ないが、自動車をどうしても維持したいという方は、一度弁護士にご相談ください。
その他、資産価値がある自動車を維持する方法もありますので、弁護士にご相談ください。