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支払い過ぎた利息は、過払い金返還請求によって取り戻すことができる。ここまでは誰もが知っている知識かと思いますが、では、万が一過払い金請求をする前にキャッシング業者・消費者金融側が倒産してしまった場合、過払い金はどうなるのでしょうか。
■クラヴィスや武富士の倒産ってどんな状態?
一般的に倒産と表現する状態には、法的に次の3つが考えられます。
○ 破産手続
○ 民事再生
○ 会社更生
このなかで、会社自体が消滅してしまうのが破産手続です。
今回は、以前に破産手続を行なったプロミスの子会社であったクラヴィス(旧リッチ、ぷらっと、クオークローン、タンポート、シンコウ、東和商事)と会社更生を行なった武富士の2つを例に解説を進めていきたいと思います。
■クラヴィスの金利は高かった。過払い金は取り戻せなかった。
結論から言うと、クラヴィスで発生していた過払金は、そのほとんどが回収不可能という状況に陥りました。会社が破産手続きを選択するということは、当然その会社自体に返還に応じるだけのキャッシュが残されていないわけで、「ない袖は振れない」となり、いくら過払い請求してもすべてが返還されるという事はありません。
もともと、クラヴィス(旧クオークローン)は、プロミスの傘下でその当時の上限金利が29.2%と非常に高金利でしたので、発生していた過払い金もかなりの額に上っていたようです。もともと過払い金は金融機関側が予期していた出費ではありませんから、引当金を準備する事ができず、クラヴィスをはじめ多くの消費者金融が倒産に追い込まれていきました。
事実、平成11年以降は登録貸金業者の件数が年々大幅に減少し続けています。
ちなみに、クラヴィスのケースでは、消費者側に返還された過払い金の配当率はなんと1%未満でした。つまり、100万円の過払金に対して1万円以下しか返還されなかった事になります。
■武富士の過払い金配当率は3.3%だった。
破産手続を選んで会社が消滅したクラヴィスに対し、更正管財人によって会社更生の道を選択した武富士でしたが、過払い金の配当率はクラヴィスとほとんど変わらない3.3%でした。
■武富士、クラヴィスと破産管財人、訴訟・裁判について
自身がキャッシングをしていた消費者金融が倒産した場合、なにもせずに勝手に過払い金の配当が受けられるわけではありません。通常、会社が倒産した場合、裁判所が破産管財人という人を選任し、その会社の債権債務状態を調査し、その後精算を行ないます。この際、過払い金が生じている場合は、自らが破産管財人に対し債権届出や債権調査書などに過払い金を記載し提出しなければ、債権として認められません。
通常、消費者金融が倒産した場合は、過払い対象者に対して裁判所から通知が来ますので、知らないうちに倒産していたという事はあまりないでしょう。
覚えておいてほしい事は、あくまでこちらから過払い金を申告しなければ、配当を受けられないという事です。債権届出などを提出しなければ、あなたは消費者金融に対して債権(請求するお金)がないということになりますので、十分に注意しましょう。
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