支払い過ぎた利息である過払い金は、一定の手続を経て計算することで債権者から取り戻す事ができます。今回は、代表的な消費者金融・キャッシング業者であるアコムから過払い金請求をして返還を受ける方法を解説していきます。
ステップ1:取引履歴の開示請求
過払い請求をするには、そもそも自分自身に過払い金が発生しているかどうかを「知る」必要があります。そのための第一歩が「取引履歴の開示請求」です。一昔前のアコムは、この取引履歴の開示請求に積極的ではありませんでした。というのも、取引履歴の開示は、金融庁のガイドラインとしては記載されているものの、法的な義務ではないため、過払い金の発覚を恐れてすんなりと開示しない傾向にありました。
ですが、最近では、取引履歴の開示請求に基本的には応じてくれるようになりましたので、開示請求自体は比較的簡単にできます。
具体的な方法としては、電話で応じてくれる場合もありますが、基本的には内容証明郵便などの書面を送付して行なうのが一般的です。
ステップ2:引き直し計算を行なう。
取引履歴が金融機関から届いたら、引き直し計算を行ないます。引き直し計算とは、一言で言うと「過払い金が発生していないか確認する計算」のことです。アコムに限らず、消費者金融・金融機関は自ら過払い金を計算して提示してくれるわけではありません。あくまで過払い金返還請求する側が、引き直し計算を行ない過払い金の額を特定しなければならないのです。
実はこの引き直し計算、一般の方では容易にできない程非常に複雑な計算になりますので、過払い金請求については、できる限り弁護士などの専門家に依頼することをお勧めします。
ステップ3:過払い請求を行なう。
過払い金の正確な金額が判明したら、その旨書面を作成しアコムに対して過払い金返還請求を行ないます。この際は内容証明を利用する事もありますが、金額が少額であればファックスなどで対応する事もあります。するとこれに対しアコム側から、「答弁書」という解答のようなものが届きます。
弁護士等に依頼している場合は、アコムから直接担当弁護士に電話がかかってきたりもします。昔は、過払い金の返還にアコムが慣れていなかったためか、すんなりと過払い金返還請求される事は稀で、多くの場合、返還する金額の減額や、数ヶ月の支払い猶予などの和解交渉を持ちかけられることが当たり前でした。
そして、それにこちら側が応じなければ即訴訟となるパターンでしたが、最近では、一度は和解交渉を持ちかけられるものの、それに応じなければ比較的すんなりこちらの主張を100%認めるケースも出てきています。
ただしこれも、過払い金の金額などによって対応が変わってくると思いますので一概には言えません。
ただ、昔に比べ状況が変わり、アコム側が過払い金請求に対応する体制が整ってきているのは確かなようです。
まとめ:弁護士に依頼すべきかどうか
過払い金請求は、弁護士に依頼する方が断然おすすめです。
その理由は大きく分けて2つあります。
1:引き直し計算をはじめ、手続的な負担が一切ない。
2:過払い請求の交渉がスムーズに進みやすい。
1は当然として、2は特に重要です。過払い金は本来、金融機関が予想していなかった大出費です。
そのため、ちょっと知識をつけただけの一般人が過払い請求をしたところで、まともに取り合ってもらえないことも少なくありません。
それに対し、弁護士に依頼すれば、金融機関の担当者が、弁護士の名前等を覚えているような場合もあるため、過払い請求が得意な弁護士に依頼すれば、金融機関側も無駄な抵抗をせず、すんなり返還に応じる可能性が高くなります。
なお、今回はアコムを例に解説しましたが、基本的な過払い請求の流れはどこの金融機関でもほとんど同じです。
少しでも多くの過払い金の返還をスムーズに受けたいと考えるならば、迷わず弁護士へのご依頼をおすすめ致します。
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