これまで過払い金に関する記事をいくつか書いてきました。
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支払い過ぎた利息である過払金は、本来返済をした債務者のものであり財産です。ですから、それを返してもらう正当な権利が支払った債務者にはあります。
通常、過払金の返還請求は弁護士や司法書士に依頼して行ないますが、どうしても自分でやってみたい、という方のために、今回は自力で過払金を回収する手順について解説してみたいと思います。
■ステップ1:取引明細書の入手
過払金返還請求をする場合は、まず過払金が実際に発生している事をこちらから債権者である貸金業者に主張しなければなりません。
つまり、過払金の正確な金額を算出する必要があるのです。
その第一歩として、まずは借入をしていた貸金業者に連絡し、過去の取引明細書を送ってもらって下さい。
以前は、取引明細書の開示を渋る業者が多かったのですが、最近では一部の悪徳な業者を除き、本人から請求しても開示されるようになりましたので、ご自身でも十分可能です。
■ステップ2:利息の引き直し計算
これが自分で過払金返還請求をする場合の第一関門です。
利息の引き直し計算は、非常に難しく素人が計算するとほぼ間違いなくミスがでます。
方法としては、ネット上にあるフリーソフトを利用してもいいのですが、同じ貸金業者と複数回取引をしているような場合は、どこまでを一つの取引と捉えるか(取引中断の問題)によって、金額が変わってくるため注意が必要です。
■ステップ3:過払金返還請求をする
自分で過払金の金額が正確に把握できたら、次は貸金業者に対してその金額を提示して返還を求めます。
ただし、電話で伝えるだけではほぼ相手にされません。
弁護士に依頼しない場合、多くの方がここで躓きます。
貸金業者も今や過払金返還用の引当金が乏しく、できる限り応じたくない状態ですから、弁護士を立てて法的圧力をもって請求しなければ、簡単には応じません。
どうしてもご自分で過払い金請求するならば、貸金業者宛に内容証明郵便によって過払金返還請求書を送付し、期限までに返答がなければ訴訟を提起するしかないでしょう。
■過払金返還請求を弁護士に依頼するメリットとは
ここまで自力で過払金を回収する方法を記載してきてこうお話するのもなんですが、やはり過払金返還請求は弁護士に依頼することをお勧めします。
一番のメリットは、やはり「確実性」です。
まずご自身で行なった場合、かなりの確率で引き直し計算にミスが生じます。また取引中断の問題も発生するため、貸金業者側と交渉が必要になります。
分かりやすい表現で言えば、ご自身で直接請求すると貸金業者から「なめられる」ため、満足のいく結果は得られないでしょう。
たとえ、引き直し計算が正しかったとしても、貸金業者側は簡単に全額の返還には応じず、返還金額について交渉を持ちかけてきます。
過払金返還請求に慣れている弁護士であれば、この辺りの対応もお手のものですので、安心して任せられます。
ご自分では無理をされず、是非、過払い金返還請求は弁護士まで相談しましょう。
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