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仕入業者や従業員とのトラブルなく会社破産をした事例

概略

土木工事会社を設立後、売上の減少により資金繰りが悪化したため、会社整理に向けて取引先の買掛債務等の清算、従業員の解雇等を進め、銀行借入の返済不能が確定した段階で会社の破産手続きをした事例。

相談者

Aさん、60代、男性、

相談前

Aさんは土木工事会社を経営し、売上はピーク時に8600万円ほどありましたが、受注の減少や工事単価の下落により、毎年1000万円程度減少。業界の今後の見通しも立たなくなり相談に来られました。

相談後

Aさんは、業界の見通しが悪いことや年齢的なこともあり、事業の継続は全く考えていないので、半年後に破産する方向で会社を整理することにしました。

以後は新規の受注はやめて既存の受注分を処理することで買掛債務を減らし、従業員の解雇手当や破産費用も工面できましたが、銀行や消費者金融への債務4000万円の返済が出来ないことが確実となった時点で、破産を申し立てました。

また、Aさんは会社借入の保証人で、他にも個人で信販会社から約300万円の借金がありましたので、会社の破産と同時に個人の破産もしました。

無事、会社の破産手続きは終了し、Aさんの保証債務等は免責されました。

弁護士からのコメント

会社の破産事件で頭を悩ませるのは、①買掛債務の支払いや従業員の給料未払いへの対応、②破産費用(弁護士報酬や裁判所への予納金)の確保です。

事業が立ち行かなくなることを承知の上で仕入れを繰り返したため、仕入れ業者から怒号混じりのクレームを受けたり、結果的にタダ働きさせられた従業員に囲まれて吊し上げを受けたり、困った社長さんが弁護士のもとへ助けを求めに来られても、その時には手持ち資金をすべて使い切ってしまい、弁護士としても手を差し伸べることができないといった場面に何度も遭遇します。

Aさんの場合、会社の資金が枯渇する前に会社の閉鎖を決意したことで、仕入先への買掛金や従業員の給料支払等の清算を進め、破産費用も準備できたので、申立て手続きがスムーズに進みました。

会社破産をお考えの方は、資金を使い切ってどうにもならなくなる前に弁護士に相談することをお勧めします。

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