資産が多かったため債務総額の5分の1ではなく、70万円アップの250万円を分割弁済することで資産を維持できた事例
Aさんは親族の業資金の保証人となっていましたが、親族が事業に失敗し、債権者から保証債務(900万円)を請求されてしまいました。
Aさんは住宅ローンもあり、さらに保証債務を払うのは厳しかったので、個人再生を検討しました。
ただ、保険も多くかけていたが、それがどうなるのか、また不動産の価値も気になりました。
Aさんの財産状況を確認したところ、主な財産は、不動産、保険(解約返戻金)、預金などでしたが、不動産はローン残が不動産評価額を少し上回るくらいでしたので、評価の対象になりませんでした。
ただ、保険、預金などの評価額が250万円程度でしたので、個人再生手続きでは、弁済額を250万円とし5年で返済する再生計画案が認可されました。
個人再生では法律により債務額が圧縮され、債務額が「500万円から1,500万円」の場合、最低弁済額は5分の1の額になり、ただ、資産総額が最低弁済額を上回った場合には、その資産総額(これを「清算価値」ともいいます)が最低弁済額となります。
Aさんの場合、債務額が900万円ですから、最低弁済額は180万円です。しかし資産調査の結果、資産総額が250万円と判明したので、弁済額を250万円とした再生計画案を作成し認可されるに至ったのです。
このように個人再生手続きでは、資産が有っても処分する必要はなく、その資産価値を評価して弁済総額が決められます。ですからAさんの場合、保険も解約することなく維持できました。もちろんこれまで頑張ってローンを払ってきた不動産も、残りのローンを払いきれば、名実ともに自分のものとなります。