競売で残った住宅ローン１５００万円、消費者金融２００万円と医療費未払い３０万円を自己破産で免責された事例
30代 男性 会社員、妻と子供１人
Ａさんは、２５００万円の中古マンションをローンで購入し一人暮らしをしていましたが、車のローンや難病を抱えた母親の医療費を負担せざるを得なくなったため、消費者金融から借入を始めました。その後、会社の業績が悪くなり、ボーナスがカットされてしまい、これに伴い、毎月の返済が回らなくなり、住宅ローンの支払いが滞りがちになりました。結局、半年以上住宅ローンを滞納してしまい、マンションは競売され、住宅ローンを１５００万円以上残して、Ａさんは、アパート暮らしになりました。このような精神的負担から、Ａさんは胃を煩い入院することになりましたが、治療費の３０万円も払えず、先が見えなくなりました。Ａさんには、当時借金のことを内緒にして付き合っていた女性がいて子供も一人設けていたのですが、このままでは彼女にも迷惑がかかるので、どうしたらいいのか分からなくなり、当事務所に債務整理の相談に来られました。
Ａさんのつまずきの原因は、もともと２５００万円の住宅ローンが過大で、しかも不確実なボーナスを当てにして無理なボーナス返済を組んだ点にありました。今後住宅を失ったＡさんがアパート家賃６万円の他に住宅ローンの残を含め１７００万円にもなる債務を払っていくのは無理であること、住宅ローンが払えなくて住宅を手放した人の大半は、ローンの残が払えなくて自己破産している実情を説明し、当事務所は、Ａさんが彼女と今後の人生を共にしていくのであれば、思い切って事情を打ち明けて自己破産することを勧めました。幸い、彼女の理解も得られて破産手続きも滞りなく進み、無事免責を得ることができました。
住宅ローンが払えなくなって競売されても、競売金額は安いので住宅ローンは残ってしまいます。そのような方の大半は、残りのローンを払えないので、その後自己破産するというケースがほとんどです。Ａさんも、もともと受託ローンの返済に無理があったので、競売→自己破産という結果は仕方なかったと思います。このままいっても消費者金融の借入が増えるだけなので、早い段階で相談されたことが正解でした。また、家族に内緒で破産したいという方もいらっしゃいますが、これは無理な話です。むしろＡさんのように、思い切って事情を話して理解を得て、早く、経済的に立ち直った方がよほど楽です。
