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個人再生は不認可等の失敗の可能性がある?個人再生を成功させる方法

個人再生は不認可等の失敗の可能性がある?個人再生を成功させる方法

借金を法律的に解決することを「債務整理」と言い、その中の1つに「個人再生」があります。

 

個人再生は借金を5分の1程度まで圧縮できるので、借金返済に苦しんでいる人にとっては非常にメリットの大きい制度です。しかし、再生計画が成立せず失敗で終わるケースも少なくありません。

 

個人再生の失敗は、棄却 ・廃止 ・不認可 ・取消の4つで、それぞれに細かい要件が定められています。また申立から認可後まで、あらゆるタイミングで失敗の落とし穴があるので、手続きは慎重の上にも慎重を期して行う必要があります。

 

今回は、個人再生失敗の4つのケースを取り上げ、また、個人再生を成功させるための方法も詳しく解説します。

 

 

1.裁判所への申立時に棄却されるケース

個人再生は借金を減額することで、経済的な再生を目指す制度です。個人再生の認可決定が出されたら、原則3年(例外的に5年)で減額された借金を分割で返済していきますが、明らかに返済できそうもない場合や、借金額が膨大な場合は申立段階で却下されることがあります。

 

個人再生の申立をしても途中で却下されるのは、民事再生法25条、221条に該当するときで、具体的には以下のケースで却下されます。

 

  • 継続・反復した収入の見込みがない
  • 住宅ローンを除く借金が5,000万円以上ある
  • 個人再生の手続き費用の予納がない
  • 再生計画案の作成や再生計画の認可の見込みが明らかにない
  • 申立の目的が不当で、誠実にされていないとき
  • 個人再生手続きの開始要件に不備があるとき

 

個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類ありますが、住宅ローンを除く借金が5,000万円を超えると、いずれも申立をすることはできません。

 

また、個人再生手続きが決定されると借金は減額されますが、決定された最低弁済額の返済は必ず行わなければなりません。そのため、返済の目途が立たないときは、個人再生は基本的に認められません。

 

よって、将来の収入が見込めなかったり、給料の支払いがなかったりするときは、個人再生の申立が却下されます。

 

その他、個人再生手続きの準備中に、一部の債権者だけに返済をして他の債権者には返済しないといった不公平(偏頗弁済)があると、申立の目的が不当で誠実ではないとみなされ却下されます。

 

また、手続きに関わる要件に不備があるときも棄却されるので、申請に際しては準備を万全にしておきましょう。

 

2.再生手続き後に廃止されるケース

個人再生は手続き開始後に廃止されることもあります。廃止に至るのは民事再生法191条、237条に該当するときで、以下のケースに当てはまる場合です。

 

  • 債権者の過半数が再生手続きに同意しない
  • 議決権額総額の過半数が同意しない
  • 財産目録に載せるべき財産を記載しないとき、または不正な記載をしたとき
  • 明らかな不認可事由があるとき
  • 裁判所の定めた期限までに再生計画案の提出がないとき

 

個人再生のうち小規模個人再生は、決定開始のあとに書面決議があり、そこで債権者の過半数の同意が得られないと再生計画は廃止になります。

 

また、債務総額の半分以上の債権を持つ業者が反対した場合も廃止です。仮にそれが1社でも、その会社の債権が全体の半額以上を占める場合は、その1社の反対だけで廃止に持ち込めます。

 

また、個人再生をするときには、清算価値保障の原則が適用されます。清算価値保障とは、個人再生手続きに於いて、自己破産で財産を清算したとき以上の弁済をしなくてはならないというものです。

 

清算価値保障は債権者が一方的に損をしないための制度です。個人再生は返済額を減らして、経済的に立ち直ることを支援する制度なので、債権者にとってみれば債務者にチャンスを与えていることにもなります。

 

そのため、債務者が個人再生するときは、債権者が損をすることがないように、自己破産で清算した財産の配当よりも多い額を弁済させることになっているのです。

 

以上のことから、個人再生では高価な不動産や自動車など、資産価値の高いものを多く所有している人ほど、再生計画決定後の弁済額は高くなります。

 

高額の弁済額は大きな負担となりますが、少しでも弁済額を低くしたいがために、財産目録の登録に嘘があったり、載せるべきものを載せなかったりするのは絶対にやめましょう。そのようなことが判明すれば、再生手続き後であっても廃止になります。

 

その他、明らかな不認可事由があるときや、再生計画案の提出が期限に間に合わないときも廃止となります。

 

廃止の理由の中で最も多いのは債権者不同意による書面決議での否決です。そのことからも個人再生手続きを進めるのは、債権者の同意が非常に重要なポイントであることが分かります

 

(※注釈)小規模個人再生では、上記のように債権者の不同意が一定数あると廃止になる一方、給与所得者等再生の場合では、債権者の同意を得ずとも裁判所が認めれば個人再生を進めることができます。ただし、弁済額については、更に条件が厳しくなります。具体的には、可処分所得の2年分の額以上という弁済基準が加えられます。

 

3.再生計画が不認可になるケース

再生計画の申立てが認められ、書面決議が可決されても、その後再生計画が不認可になることがあります。

 

個人再生手続きでは書面決議のあとに、最終的に裁判所が認可の決定を行います。その際に民事再生法174条、231条で規定された不認可事由があると、個人再生は認められません。不認可事由の詳細は以下の通りです。

 

  • 再生手続きの内容が法律違反で、その不備が補正できないとき
  • 計画が遂行される見込みがないとき
  • 再生計画の決議が不正な方法で成立したとき
  • 債権者の一般の利益に反するとき
  • 返済額が最低弁済額を下回るとき
  • 無異議債権および評価済債権の総額が5,000万円を上回るとき
  • 将来的に継続的・反復的な収入が見込めないとき

 

継続的な収入が見込めないときや、 負債5,000万円を上回るときには個人再生が認められないというのは、申立棄却の要件と同一ですが、これらが申立後に発覚したときは、裁判所が最終段階で不認可とします。

 

弁済額を減らすために、財産を隠したり、事前に親族に譲渡したことなどが発覚したりすると、不正な方法で成立したことになるので、不認可事由となります。

 

債権者の一般の利益に反するケースは、清算価値保障の原則が適用できないケースです。例えば一部の債権者だけに返済を行う偏頗弁済(へんぱべんさい)を行ったり、返済額が最低弁済額を下回ることが明らかとなれば不認可となります。

 

再生計画が不認可になるパターンで多いのは、本来個人再生で支払うべき弁済額よりも低い額で再生計画を作るケースです。

 

4.再生計画が許可された後に取消になるケース

再生計画は許可されればそれで終わりではありません。認可決定のあとも民事再生法189条に該当するときは、再生計画が取り消しになります。具体的なケースは以下の通りです。

 

  • 再生計画が不正の方法で成立したとき
  • 債務者が計画通りの返済を怠ったとき
  • 財産贈与、営業譲渡を同意なく行ったとき

 

個人再生を行うにあたり、返済額を減らすために財産隠し等をしたことが、後になって発覚した場合も再生計画は取り消しになります。

 

個人再生が認可されれば、その後は最低弁済額を原則3年(例外的に5年)で支払いますが、その間に支払いが滞り、債権者が申立をすると、再生計画が取り消しになります。

 

5.個人再生を成功させるには?

ここまで、個人再生が失敗する4つのパターンを見てきましたが、個人再生に関わらず債務整理手続きが途中で失敗するのは、本人にとって大きなダメージです。手続きで失敗しないためには、上記の要件を熟知しておく必要があります。

 

個人再生手続きが向いているのは、借金額が比較的大きい人で、マイホームを手放したくない人です。その中で、借金が減額されれば3年(または5年)で借金を完済できる目途が立つ人は個人再生を検討しましょう。

 

また、士業や警備員といった一部の職業は、自己破産をすると一定期間仕事に従事することができなくなります。そのため、該当する職業の方は職業制限のない個人再生がおすすめです。

 

個人再生を成功させる秘訣は、申請から認可まで、裁判所や債権者に対して誠実に対応することです。財産目録等の内容に不正があると、認められなくなるので十分注意しましょう。また、提出書類は期限を守りましょう。

 

個人再生は認可されたら、その後はきちんと返済することが求められるので、再生計画に無理があると認可されない可能性が高くなります。その点でも失敗しないために、事前に弁護士という専門家とよく相談することをおすすめします。

 

○個人再生・債務整理なら埼玉県のエクレシア法律事務所へ

個人再生が失敗に至る要件は複数あり、内容も専門的で複雑です。そうした要件を知らずに、自己判断で財産の譲渡や処分を行ったり、無理な再生計画を立てたりすると失敗をする可能性が高くなります。

 

手続きを成功させるためにも、できるだけ早い段階で弁護士に相談をして下さい。

 

エクレシア法律事務所は、事務所がある埼玉県越谷市の他に、埼玉県東部地方(春日部市、川口市、吉川市、草加市、八潮市、三郷市周辺)、東京都足立区、千葉県柏市、流山市、松戸市周辺などの近隣の方からも、多数債務整理についてのご相談・ご依頼を承っております。

 

個人再生の他、任意整理や自己破産についての解決実績も大変豊富なため、ご相談者一人ひとりに最も適切な債務整理方法をご提案することが可能です。住宅を残したい、車を残したいなどのご希望につきましてもアドバイスができますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

ご予約は、お電話もしくはメールフォームより承っております。

 

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