家族ならいざ知らず、友人というだけで連帯保証人に軽い気持ちでなったら、いつの間にか夜逃げされて自分が借金を肩代わりすることになってしまいました。路頭に迷う私はどうしたら良いのでしょうか。
「保証人にだけはなるな」なんて言葉をよく聞きますが、全くもってその通りです。保証人になるという事は、いわばその人と運命共同体に近い状況になりますから、よほどの覚悟がなければ、家族ならまだしも友人、知人の保証人になるということは、かなりのストレスとハイリスクを伴うのです。
では万が一上記のような状況に陥った場合は、まずどうしたら良いのでしょうか。
目次
■保証人なのか、連帯保証人なのかが大きな別れ道。その違いとは?
そもそもこの2つ、責任の重みが全く違うという事をご存知でしょうか。実際にこのようなケースで法律事務所に相談に来られる方の中には、自分が「保証人」なのか「連帯保証人」なのかがはっきりと理解できていない場合があります。
なんとなく連帯保証人の方が、責任が重そうだという事は分かると思いますが、では何が違うのでしょうか。
○連帯保証人は、いつでも相手方から請求されるリスクを負う。
例えばあなたのもとに借金取りがやってきて、
「本人が夜逃げしたから、代わりに借金を支払え」
と言ったとします。もしもあなたが「保証人」であれば、
「先に本人に請求してくれ」(「催告の抗弁権」と言います)
とか、
「本人にはこれだけ財産があるのだから、そちらから取り立ててくれ」(「検索の抗弁権」と言います)
と言って、請求をはねのける事が出来ます。
つまり、あなたがただの「保証人」であれば、友人が夜逃げしただけでは、直ちに全額をあなたが肩代わりする必要はないのです。
しかし、もしもあなたが「連帯保証人」だった場合はこれらの権利は認められず、たとえ友人に支払い能力があったとしても借金取りはあなたに請求する権利があるのです。
分かりやすく言うと、友人の連帯保証人になるという事は、「あなたには何の得もないのに、本人と同じだけの責任を押し付けられる」、という事なのです。
このように、「連帯」とつくかつかないかで、その後のあなたの運命は全く変わってきます。あなたがどっちの保証人で契約をしているのか、つまり保証人なのか、連帯保証人なのかを借用書や承諾書、確約書などでもう一度確認してみましょう。
■最適な解決をはかるためには、1秒でも早く弁護士に相談を。
あなたが保証人、連帯保証人どちらのケースだったとしても、まずは大至急弁護士に相談しましょう。
荒っぽい消費者金融などは、友人が夜逃げした事を知ると、あなたに強い圧力をかけて支払うようしむけてきます。酷い場合、あなたの自宅や勤務先まで押し掛けてきて厳しい取り立てをするかもしれません。もともと借り入れた先がカードローン、キャッシング、消費者金融だったとしても、長い間返済が滞ると、これらの機関はその債権(友人に請求できる権利)を他の組織に譲渡してしまいます。これらが繰り返されて取り立て屋のような組織の手に渡ってしまうと、あなたに対する取り立ては、生半可なものではなくなってしまい、あなたがストレスを感じるどころか、人生そのものを狂わされる危険性すらあり得ます。
ですが、ご安心下さい。そんな状況を回避する簡単な方法があります。
■弁護士が受任通知を送れば、半分は解決したも同然です。
万が一、カードローン、キャッシング、消費者金融などの債権者からの督促がはじまりましたら、すぐにでも弁護士に相談しましょう。弁護士があなたの依頼を受けた場合、あなたに督促してきている金融機関に対して「受任通知」という書類を送付します。そして、この通知を送達して以降は、債権者はあなたに対して直接取り立てをすることができなくなります。つまり、取り立ての恐怖によるストレスから解放されるのです。あとは、弁護士が債権者側と話し合って上手くいけば任意整理や個人再生等の債務整理に持ち込める可能性もあります。
■早期決断で自己破産をすることも、一つの「勇気」です。
万が一友人が多額の借金をして夜逃げなどで行方不明になってしまい、あなたが連帯保証人であった場合は、早期に自己破産を選択する勇気も必要になります。自己破産というとネガティブなイメージが強いのですが、実際は「借金を帳消し」にして新たな人生をスタートするための最良の選択肢である場合もあるのです。
早期に弁護士に相談する事で、あなたが無駄に過度なストレスを感じて追い込まれることなく、スムーズにこの問題を解決できるはずです。借金に関する問題は、弁護士に相談するタイミングが早ければ早い程、解決もよりスムーズに、そしてより早くなります。
まずは一人で頭を抱え込まずに、一度弁護士に相談に行きましょう。
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