破産をしたいのですが、手元にまとまったお金がありません。弁護士に依頼できますか。
実はこの質問こそ、会社破産を考えておられる方が、高い壁にぶち当たり前に進めなくなってしまうところなのです。どういうことかといいますと、経営者の方は、会社を何とかしようと必死になって、ある財産は全て(なくなったら身内から借りてまでして)会社につぎ込んでしまいます。そしていよいよ資金が枯渇した段階で「もうだめです。破産できますか。」と、弁護士のところに相談に来られます。この努力を否定するつもりはありませんが、破産して法的解決にゆだねるのも、一つの潔い態度ではないでしょうか。しかし考えてみてください、破産するには、裁判所に納めるお金と弁護士に支払うお金が必要です。
したがってご質問のように、お金が手元になくなった段階で破産を決意したのでは遅すぎます。破産手続きをとることができない!のです。そうではなくて、破産手続きを賄うだけのお金しか手元になくなった段階で潔く破産を決意しなければなりません。つまり、
破産手続き資金しか残っていない段階、
ここが、決断の最終時点です。弁護士に相談に来ても破産費用が全く捻出できないことが分かって、落胆して帰って行かれる経営者の方が意外と多いのです。
ただ、手元にまとまった資金が今はないとしても、必ずしも諦める必要はありません。例えば、どのみち破産せざるをえないのであれば、通常は今後金融機関への返済を続けてもほとんど意味がありませんし、逆に会社の債務とはいえ偏頗弁済のおそれもありますので、金融機関への返済を止めてしまうことを検討できます。そうすると、これまでは返済のために手元に資金が残らなかったのが、それを止めることで、次に入金される売掛金から、弁護士費用やその他の申立費用が捻出できる場合があります。一度、弁護士に相談してみてください。